ダウンの種類
まず、ダウンとフェザーの違いをわかりやすくご説明します。ダウンとは水鳥の胸部にある綿毛で、小さな元羽軸とその先端から延びる2本以上の羽枝からできています。この羽枝の数が多く、また、産毛が残ったボール状のもの(タンポポの綿毛のような形)を特にダウンボールと呼んでいます。
ダウンボールが大きいものほど良質とされていますが、良いものになると一羽からたった30gしか採ることができません。
フェザーとは、水鳥の腹部などに生えている幹羽軸がある毛のことで、いわゆる羽根のことです。長さが6.5cm以下の柔らかいものを特にスモールフェザーと呼んでおり、弾力性を増す目的で、ダウンと混合して使用されます。
ダウンは一般的に、ガチョウ(Goose)やアヒル(Duck)などの水鳥から採られます。(陸鳥の幹羽軸には鳥の筋肉組織が入り込んでいるため、洗浄等の処理が完全でないとそこから腐食することがあるとのことです。)
ガチョウやアヒルには、食用に飼育されているものと、マザーグース、マザーダックと呼ばれる卵を採る目的で飼育されているものがあります。食用に飼育されているガチョウやアヒルのダウンは、羽枝が細く柔らかくコシがあるため軽くて「かさ高性」に富み、フェザーも弾力性があります。
また羽枝同士が絡まりにくいのでダンゴ状になりにくいというのも利点です。但し一部の例外を除きマザーグースやマザーダックよりも高価になります。
一方マザーグースやマザーダックの飼育期間は6ヶ月~5年と長期間であるため、成熟した良質のダウンを採ることができます。こちらは普通のものより大きくコシがあるので保温性や「かさ高性」に富み、また耐久性にも優れています。